【志望理由書】日本大学理工学部土木工学科<総合型選抜>大学入学希望理由書の書き方

日本大学理工学部土木工学科を総合型選抜で受験する方の参考となるよう、志望理由書(大学入学希望理由書)の書き方のアドバイスをしていきたいと思います。

今回の情報は主に令和5年度入試について書いています。

日本大学理工学部土木工学科について

基本情報

総合型選抜について

倍率

年度倍率募集人員志願者数受験者数合格者数
2023(令5)15
2022(令4)1.025261919
2021(令3)1.025311919
不明な個所は空白になっています。

出願資格

大学入学資格を有し、第一希望である者

土木工学科にエントリーし,志望学科での勉学に強い意欲を持ち,本学部の教育と研究環境を活用して目標を実現する学力の3要素を有する者

入試日程※2023年度入試

■エントリー期間:7/1~9/12

■出願情報登録期間:8/1~9/12

■出願期間:9/1~9/12

■試験日:10/23

■合格発表:11/1

■手続き期間:11/1~11/16

提出書類

  • 出願確認票(Webで作成したものを印刷)
  • エントリーシート(エントリー期間中にWebで提出したものを印刷)
  • 調査書(出願資格証明の書類)
  • 高大連携に関する小論文(HPよりプリントアウトして作成)
  • コンテスト等での入賞・表彰された証明書のコピー(有する者のみ)
  • 大学入学希望理由書(HPよりプリントアウトして作成)
  • 活動報告書(HPよりプリントアウトして作成)
  • 学修計画書(HPよりプリントアウトして作成)
  • 事前課題報告書「土木工学が造り,守っている施設や構造物に関する事前課題」(※出願後に提出)

※必ず大学の出している募集要項を確認ください。

試験

  • 小論文(土木技術者を目指すにあたっての抱負を問う課題)
  • 面接

※必ず大学の出している募集要項を確認ください。

評価項目

  • 試験
  • 大学入学希望理由書
  • 活動報告書
  • 調査書(評定、資格・検定、表彰・顕彰)
  • 高大連携実績
  • コンテスト等での入賞・表彰された証明書
  • 日本大学全国高等学校土木設計競技への参加実績
  • 事前課題報告書

志望理由書について

日本大学理工学部土木工学科の志望理由書は、大学入学希望理由書という名称となっています。

  • 大学ホームページよりダウンロードした指定の用紙を使用
  • 黒ボールペンで手書き
  • 時数指定なし
  • 出願要件「志望学科での勉学に強い意欲を持ち,本学部の教育と研究環境を活用して目標を実現する学力の3要素を有する者」を満たしていると判断し,それを主張する内容

という指示があります。

近年よく「学力の3要素」という文言を見かけます。これは、「知識・技能」、「思考⼒・判断⼒・表現⼒」、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」になっています。志望理由書を書く場合、この「学力の3要素」について頭を悩ませる方もいるかと思いますが、この記事で紹介する書き方で書いていただければ大丈夫ですので、ご安心ください。

志望理由書のアドバイス

志望理由書の書き方につきましては、以下の記事をお読みいただくと理解が早いと思います。

上記の記事の流れに沿って「①将来の夢」~「⑤自分の長所」をまとめ、志望理由書についてアドバイスしていきます。

大学ホームページ・パンフレットの読み込み

日本大学理工学部土木工学科のホームページやパンフレットを読み込み、身に付けることができそうな力や経験を挙げていきます。

パンフレットの最初に書かれている部分から引用します。

ここから大学が推したい点として

  • 古い歴史をもち多くの建設分野の企業や公務員になっている人が多い
  • 土木技術者に求められる様々な素養を身に付けることができる
  • 1年次から実践実習がある
  • 多方面で活躍する卒業生と連携・協力ができ実践力を体験できる

という点が挙げられるのではないでしょうか。

同様にホームページの学科紹介のページのトップにも、歴史と伝統について書かれています。

このことから大学の魅力として推したい点の一つとしては「歴史と伝統」だということがわかるわけです。

さらに学部のホームページから卒業生の就職先を見ると、約半数が「建設・住宅・不動産」に就職し、4分の1程度が「公務員」になっています。

このように大学のホームページやパンフレットを読み、「歴史」や「公務員」、ほかにも「様々な素養」、「実践力」などの単語を見ることが出きました。

そこからまずぼんやりとイメージできる将来像としては、「様々な素養や実践力を身に付けた技術系公務員」というところで良いと思います。

3つのポリシーを読む

上に示したアドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーの3つを読み、そこから「様々な素養や実践力を身に付けた技術系公務員」を明確なものにするための必要な情報を取り出します。

アドミッションポリシー

アドミッションポリシーは学部のものと学科のものの2つがあり、そこから読み取れる内容としては、主体的かつ具体的に社会環境を改善し、社会貢献しようとする強い意志を持つ人物となるかと思います。

理工学部

日本大学理工学部は,日本大学が掲げる教育の理念『自主創造』に基づき,一人ひとりの個性を尊重し,『自由闊達な精神,豊かな創造性及び旺盛な探究心を持ち,人類の平和と福祉に貢献できる,誇りある人材を養成する』ことを教育理念に掲げています。
このような教育の理念のもとに,日本大学理工学部では,大学で学ぶ上で求められる基礎学力を有し,知的好奇心が旺盛で,修得した科学的知識・技術を活かし社会に貢献したいという意欲のある人を求めています。

土木工学科

自然環境と人間の調和を目指し、災害から社会を守る役割を担うシビルエンジニアを育成する土木工学科では、公共空間デザイン・街づくり・減災・地球環境問題などを対象に最新の知識と技術を活かした教育と研究を行っています。今後の自然環境・社会環境を主体的かつ具体的に改善していこうとする強い意志を有し自主性・創造性を高める意欲がある人を求めます

カリキュラムポリシー

カリキュラムポリシーは学部のもののみしか確認できませんでした。ここには工学の知識だけでなく、倫理観や論理的思考力、批判的思考力、リーダーシップなど幅広い力を身に付けようというような内容が書かれています。ですので、直接志望理由書に使えそうな内容はありませんでした。

日本大学理工学部(工学)では,日本大学教育憲章(以下,「憲章」という)を基に,専門分野を加味した卒業認定に関する方針に沿って学問分野別の教育課程を編成し実施する。
「憲章」に基づく卒業の認定に関する方針として示された8つの能力(コンピテンシー)を養成するために,初年次教育,教養教育,専門教育,キャリア教育等の授業科目を各能力に即して体系化するとともに,講義・演習・実験・実習等の授業形態を組み入れた多様な学修方法による教育課程を編成し実施する。
また,学修成果の評価は,専門的な知識・技能及び態度を修得する授業科目に関しては,授業形態や授業手法に即した多元的な評価方法により,各授業科目のシラバスに明示される学習到達目標の達成度について判定し,「憲章」に示される日本大学マインド及び自主創造の8つの能力(汎用的能力)への達成度に関しては,卒業の達成を測るための授業科目の修得状況や到達度と学生自身による振り返り等をもとに段階的かつ総合的に判定する。

  1. 教養教育科目,基礎教育科目及び各学科の専門教育科目の学修を通じて,豊かな教養・知識を身につけ,倫理観を高める能力を育成する。
  2. 教養教育科目及び基礎教育科目に置かれる外国語科目等の学修を通じて,世界情勢の理解や外国語による意思疎通の能力を育成する。
  3. 基礎教育科目の基礎科学分野及び各学科の専門教育科目の学修を通じて,工学に関する知識を養い,論理的かつ批判的な思考力を育成する。
  4. 各学科の実験・実習科目及び卒業研究の学修を通じて,問題を発見し,解決策を提案する能力を育成する。
  5. 各学科の専門教育科目の学修を通じて先端の技術・理論に触れ,探究心及び挑戦力を育成する。
  6. 全学共通初年次教育科目,基礎教育科目及び各学科の専門教育科目の学修を通じて,コミュニケーション力及び他者への理解力を育成する。
  7. 卒業研究等の学修を通じて,リーダーシップや協働者の力を引き出す能力を育成する。
  8. 卒業研究及び卒業達成度評価科目の学修を通じて,自己の学びを振り返り,自己を高めることができる能力を育成する。

ディプロマポリシー

ディプロマポリシーは学部のもののみしか確認できませんでした。これも、カリキュラムポリシーと同様に工学の知識だけでなく幅広い力を身に付けてほしいという内容となっています。

日本大学理工学部は,日本大学教育憲章に基づき,以下の能力を身に付け,所定の年限在学し,かつ所定の授業科目及び単位を修得した学生の卒業を認定し,学士(工学)の学位を授与する。

  1. 豊かな教養・知識に基づいた高い倫理観を有し,人類の平和と福祉に貢献できる。
  2. 世界情勢を理解し,国内外において直面している状況を理解し,その多様性及び自身の考えを説明することができる。
  3. 得られる情報を基に工学に関する知見から論理的な思考,批判的な思考をすることができる。
  4. 事象を注意深く観察して能動的に課題を発見し,豊かな創造性及び工学に関する専門的知識を基に解決策を提案することができる。
  5. 旺盛な探究心を持ち,あきらめない気持ちで社会における様々なことに対し果敢に挑戦することができる。
  6. 他者の意見を聴き,自身の考えを伝え,互いの個性・特色を理解することができる。
  7. 集団においてリーダーシップを発揮し,他者と連携することで,協働者の力を引き出し,その活躍を支援することができる。
  8. 謙虚に自己を見つめ,振り返りを通じて自己を高めることができる。

①将来の夢

「様々な素養や実践力を身に付けた技術系公務員」というぼんやりとしたイメージとアドミッションポリシーなどから読み取った内容を合わせ、明確な将来像を作ります。

アドミッションポリシーで、「主体的かつ具体的に社会環境を改善し、社会貢献しようとする強い意志を持つ人物」、カリキュラムポリシーとディプロマポリシーから「倫理観や論理的思考力、批判的思考力、リーダーシップなど幅広い力を身に付けた人物」という人物像を読み取ることができます。

それらをふまえ生まれる将来像として

「土木についての深い知識を持ち、それを地域で暮らす人の意見や文化と融合することで、より良い生活環境を実現することのできる人材」

というものが挙げられるのではないでしょうか。

ここではあえて公務員という言葉は抜きました。これは私のイメージなんですが志望理由書に「公務員になりたい」と書くと「安定した仕事に就きたい」という意味に感じてしまいます。本来は「公務員になりたい」と「社会貢献したい」というのは同じ意味であるべきなんですが、社会的な風潮を考えるとそうはならないのではないかと感じてしまいます。そこであえて公務員という言葉をなくし上記のような書き方にすることで、社会貢献したいという意味合いを強めています。

②大学を選んだ理由

「②大学を選んだ理由」で絶対に外せない点は、やはり「歴史と伝統」でしょう。この点は外すことはできません。「①将来の夢」の「土木についての深い知識を持つ」という点につなげていきましょう。

「①将来の夢」にある「土木についての深い知識を持つ」という点に関しては下の図に示した大学ホームページにある「1年次からの専門教育履修」、「少人数教育」というところから得られると説明できます。

大学ホームページより

また「地域の人々の意見を取り入れる」ためにはコミュニケーション力や協働力、リーダーシップなどの力が必要になります。それは上の図の「グループによる共同作業」から得られるといえます。

さらに、「知識と意見や文化を融合しより良い生活環境を実現する」ためには「体験型・実践型教育」から得られる経験や、対応力が必要になるといえます。

具体的な取り組みとして

「1年次からの専門教育履修」→「土木インセンティブ」や「測量実習」など

「少人数教育」→ゼミナール・土木工学キャリアデザイン「卒業研究」

「体験型・実践型教育」→「インターンシップ」、「プロジェクトスタディ」

「グループによる共同作業」→「土木インセンティブ」「卒業研究」

などが挙げられるかと思います。特に大学独自の取り組みとして、専門教育だけでなく伝える力を身に付けることができる「土木インセンティブ」やコミュニケーションのトレーニングにもつながる3年次の「ゼミナール・土木工学キャリアデザイン」について詳しく書くとよいのではないでしょうか。

③大学生活

ここには大学独自でない取り組みを挙げればよいので、前述の「インターンシップ」や「卒業研究」などを挙げるとよいと思います。特に「卒業研究」では具体的に学びたい教授・研究室を挙げると書きやすくなると思います。大学のホームページから興味のある教授・研究室を探してみてください。

インターンシップでは知識だけでなく「実践力」や「経験」を得ることができ、「①将来の夢」にある「より良い生活環境を実現する力」につながります。

さらに卒業研究では「土木の深い知識」や「協働力」「実践力」を身に付けることができるので、「①将来の夢」に近づくための力を付けることができます。

④将来のきっかけ

「土木についての深い知識を持ち、それを地域で暮らす人の意見や文化と融合することで、より良い生活環境を実現することのできる人材」になりたいと思うようになったきっかけを書きます。

あなたのこれまでの経験の中で、生活環境が悪いと思ったことや生活環境が良くなったことはありませんか?それを書きましょう。

例えば、

  • 「震災で使えなくなった道路を直してくれたおかげで生活環境が以前より良くなった」
  • 「新しい道路工事が始まったとき、工事期間が長く、渋滞や事故があった」
  • 「○○市に行ったときに自分の街より景観がよく暮らしやすそうだった」
  • 「住みやすい街ランキングで常に上位の街にはなにがあるのかを知りたい」

などで良いと思います。このきっかけを「①将来の夢」につなげてください。

⑤自分の長所

自分の長所は「①将来の夢」とアドミッションポリシーから考えます。アドミッションポリシーは「主体的かつ具体的に社会環境を改善し、社会貢献しようとする強い意志を持つ人物」という内容が書かれており、ここまでに出ていない力として、「主体的に行動する力」が一例として挙げられるでしょう。また将来の夢である「土木についての深い知識を持ち、それを地域で暮らす人の意見や文化と融合することで、より良い生活環境を実現することのできる人材」に必要な力の一例として、他者の意見を聞き、協調する力」が挙げられるのではないでしょうか。

あなたの長所を「主体的に行動する力」や「他者の意見を聞き、協調する力」として、この2つを示せるようなあなたの経験を挙げてください。

例えば、

「部活動でチームの勝利のためにチームメイトの意見を聞き、チームの問題を解決するための方法を自ら考え行動し、チームをまとめることができた」

「文化祭の企画委員としてクラスメイトの意見をまとめ、みんなが納得できるようなクラス企画を作り上げた」

というように、他者の意見を自らまとめ、それを元に行動するような経験を挙げれば大丈夫です。

志望理由書をまとめる

ここまでまとめた①~⑤を以下のような構成にまとめ、文章を整えてください。

日本大学理工学部土木工学科の志望理由書は文字数指定がありませんので、パターン②で作成しましょう。

ここで、大学入学希望理由書の内容に求められていた「学力の3要素」についてですが、「知識・技能」は「①将来の夢」を実現するために大学や土木に関する情報についてしっかりと調べていること、「思考⼒・判断⼒・表現⼒」については、「②大学を選んだ理由」や「③大学生活」を「①将来の夢」につなげることができていること、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」については、「①将来の夢」にある「地域で暮らす人の意見を~」という点や「②大学を選んだ理由」で「コミュニケーション力を身に付けたい」という文言で、それぞれの要素を表現できていると思います。

面接対策

質問内容

日本大学理工学部土木工学科の総合型選抜では以下のような質問がされているようです。

  • 志望理由
  • 将来の夢
  • 土木に興味をもったきっかけや知識
  • 事前提出した課題についての質問
  • 高校生活で最も頑張ったこと
  • 高校で受けた授業について
  • 得意科目・苦手科目

面接について

  • 面接官2人の個別面接
  • 面接時間10分~15分
  • 事前提出書類からの質問あり

最後に

今回は日本大学理工学部土木工学科の志望理由書の書き方についてアドバイスさせていただきました。

文章だけではわかりにくい、もっと踏み込んだ内容で書いてほしい、自分の経験に合わせてカスタマイズしてほしいなどございましたらぜひ伸学塾までご連絡ください。

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