【志望理由書】日本大学理工学部機械工学科<総合型選抜>大学入学希望理由書の書き方

日本大学理工学部機械工学科を総合型選抜で受験する方の参考となるよう、志望理由書(大学入学希望理由書)の書き方のアドバイスをしていきたいと思います。

今回の情報は主に令和6年(2024年)度入試について書いています。

日本大学理工学部機械工学科について

基本情報

総合型選抜について

入試データ

年度倍率募集人員志願者数受験者数合格者数
2023(令5)698
2022(令4)1.061466
2021(令3)1.06722
※倍率は受験者数÷合格者数です。不明な個所は空白になっています。志願者数はエントリー数です。

出願資格

・大学入学資格を有し、第一希望である者

・機械工学科エントリーし,志望学科での勉学に強い意欲を持ち,本学部の教育と研究環境を活用して目標を実現する学力の3要素を有する者

・数学Ⅰ,数学Ⅱ,数学Ⅲ,数学A,数学Bをすべて履修し,それらの評定の平均が3.6以上,または,物理基礎,物理をすべて履修し,それらの評定の平均が3.5以上

入試日程

■エントリー期間:6/1~9/11

■出願情報登録期間:8/1~9/11

■出願期間:9/1~9/11

■試験日:10/22

■合格発表:11/1

■手続き期間:11/1~11/16

提出書類

条件については情報が変わっている可能性がありますので、必ず大学の出している募集要項を確認ください

試験

  • 試験(数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学Bに関する出題)
  • 課題(物理に関する課題)
  • 面接

情報が変わっている可能性がありますので、必ず大学の出している募集要項を確認ください

評価項目

  • 試験(試験、課題、面接)
  • 大学入学希望理由書
  • 活動報告書
  • 学修計画書
  • 調査書
    学習における特徴等
    行動の特徴、特技等
    部活動、ボランティア活動、留学・海外経験等
    取得資格、検定等
    表彰・顕彰等の記録
    その他自ら関わってきた諸活動など
    総合的な学習の時間の内容・評価

志望理由書について

日本大学理工学部機械工学科の志望理由書は、大学入学希望理由書という名称となっています。

  • 大学ホームページよりダウンロードした指定の用紙を使用
  • 黒ボールペンで手書き
  • 時数指定なし
  • 出願要件「志望学科での勉学に強い意欲を持ち,本学部の教育と研究環境を活用して目標を実現する学力の3要素を有する者」を満たしていると判断し,それを主張する内容

という指示があります。

近年よく「学力の3要素」という文言を見かけます。これは、「知識・技能」、「思考⼒・判断⼒・表現⼒」、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」になっています。志望理由書を書く場合、この「学力の3要素」について頭を悩ませる方もいるかと思いますが、この記事で紹介する書き方で書いていただければ大丈夫ですので、ご安心ください。

志望理由書のアドバイス

志望理由書の書き方につきましては、以下の記事をお読みいただくと理解が早いと思います。

上記の記事の流れに沿って「①将来の夢」~「⑤自分の長所」をまとめ、志望理由書についてアドバイスしていきます。

大学ホームページ・パンフレットの読み込み

日本大学理工学部機械工学科のホームページやパンフレットを読み込み、身に付けることができそうな力や経験を挙げ、将来の夢を考えましょう。

パンフレットの学科のページの最初に書かれている部分です。

さらに、学部のホームページには以下のような文言があります。

機械工学科では、物体の運動、制御、変形、熱、流れ、材料に関するシステムを取り巻く力学系の基礎工学を、講義とともに演習を通して納得のいくまで習得します。カリキュラムは年次ごとに導入科目、基礎科目、専門科目とステップアップし、卒業研究を経て、入学から卒業するまで体系的に関連づけて学べるようになっています。「工業力学・制御工学」「材料力学」「熱工学」「流体工学」「機械加工学」の5系列からなるカリキュラムは基礎科目に重点を置き、さらに実技科目での体験・実感の場も豊富に用意しています。

また、学科が支援しているサークル”円陣会”は、全日本学生フォーミュラ大会に第1回から現在まで毎年挑戦しています。サークル活動でもこれだけ本格的なものづくりができるのも、設備や教授陣が充実しているからです。

日本大学理工学部HPより

また、学科のホームぺージの教育上の目的と学習・教育目標に以下の内容が書かれています。

〇教育研究上の目的
機械工学はものづくりを通して、人間生活を豊かにするための総合的な学問である。その機械工学を構成している自然法則の基礎的な理論や概念に立脚し、高度情報化した社会のニーズに応えることのできる創造性豊かな技術者を養成する。

〇学習・教育目標
(A) 工業を支える機械工学に対応した基礎教育
機械工学は、人間生活を豊かにするために必要であれば、幾多の困難をも克服してそのニーズに応えて行かなければならない。その分野は広がりこそすれ、狭まることはなく、その発展を支える基礎を重視して教育を行う。

(B) ものづくりを推進する実践教育
機械工学が人間生活を豊かにする具体的なものを提供するには、「ものづくり」があって可能となるので、その目的意識を明確にし、「ものづくり」に携わって得られる充足感を実践教育の中で享受しながらさらに自らを高める鍛錬を行う

(C) 活躍の場を広げるグローバルな視野の養成
機械工学が対象と考える人間社会は地球上において高度に連携が深まっているので、それに対応できる能力を備えるとともに、万人の幸福を見据えた視点から行動を定めていく理念を持てる教育を行う。

(D) 機械工学技術者としての誇りと倫理観を持てる教育
機械工学技術者に対する要求は高まる一方ではあるが、それに答えることによる達成感も大きくなり、高い理念に対する尊敬も深まることとなる。これらより自らの誇りを確固たるものとして、機械工学技術者としての倫理観を培いながら意欲を高揚させることができる教育を行う。

日本大学理工学部機械工学科HPより

パンフレット・学部HP・学科HPを読んだのですが、ここからだけではこの大学独自の特徴をつかむのが非常に難しく、正直特徴がないと感じてしまいます。書いてあることのほとんどが、どの大学の機械工学科でも成り立ってしまうような内容なのです。

 ここまでの部分に書かれている日本大学理工学部機械工学科のみで行われている具体的な取り組みとしては「サークル”円陣会”」くらいなものです。こちらのサークルは全日本学生フォーミュラ大会に第1回から参加しているようですが、2022年大会の順位としては63チーム中19位と何ともいえない結果です。もし、安定して毎年5位以内に入っているのであれば志望理由に入れてもいいと思うのですが、このくらいでは志望理由にはしにくいです。さらにこの取り組みをホームページの目立つところに置いている時点で外部に公表できる学科独自の取り組みが少ないのでは無いかと感じてしまいます。

それでもなんとか特徴を挙げなければならないとすれば

  • 設備や教授が充実している
  • ものづくりを学ぶ実践的な学びが豊富

くらいではないでしょうか?

他にも学科のHPには動画も掲載されていますのでそれを見てみましょう。

まず最初に出てくるのは「創立100周年」です。創立100周年あれば、蓄積された知識やカリキュラムがあることや多方面で活躍するOBOGも多いということが言えると思います。

また機械工学分野は非常に広いです。自動車・バイク、ロボット、飛行機、医療機器など様々な分野に分かれています。将来の夢を設定するためには広い分野から一つ絞った方が書きやすいかと思います。そのために大学のHPを見て興味のある研究室を一つ決めましょう。そのあと可能であればオープンキャンパスに参加することを強くおススメします。オープンキャンパスで、その研究室の話をしっかりと聞き、そこから自分の夢を考えるのが良いと思います。

今回、将来の夢として機械工学で一般的な”自動車”に関する夢を設定し、こちらのHPから自動車に関連しそうな研究室を選びます。

今回は自動車のエンジンについて研究をしている「飯島晃良 教授の研究室」を志望理由に使わせていただきたいと思います。

これらを踏まえて将来の夢を大まかに決めるとすると、「日本の自動車産業を支えたいというところで良いと思います。

3つのポリシーを読む

上に示したアドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーの3つを読み、そこから日本の自動車産業を支えたいというあいまいな将来像を明確なものにするための必要な情報を取り出します。

アドミッションポリシー

アドミッションポリシーは学部のものと学科のものの2つがあり、そこから読み取れる内容としては、自然科学の知識を理解・応用して日本国内だけでなく国外も視野に入れて会に貢献しようとする人物となるかと思います。

理工学部

日本大学理工学部は,日本大学が掲げる教育の理念『自主創造』に基づき,一人ひとりの個性を尊重し,『自由闊達な精神,豊かな創造性及び旺盛な探究心を持ち,人類の平和と福祉に貢献できる,誇りある人材を養成する』ことを教育理念に掲げています。
このような教育の理念のもとに,日本大学理工学部では,大学で学ぶ上で求められる基礎学力を有し,知的好奇心が旺盛で,修得した科学的知識・技術を活かし社会に貢献したいという意欲のある人を求めています。

機械工学科

機械工学は“ものづくり”を通じて、人々の暮らしを豊かにするための総合的な学問分野で、数学
や物理などの自然科学の知識を駆使して現象を的確に把握し、それらを応用していく能力が必要
となります。本学科は、そのような能力を備え、国内はもとより世界で活躍できる創造性豊かなバイタリティーあるエンジニアを目指す学生を募集しています。

カリキュラムポリシー

カリキュラムポリシーは学部のもののみしか確認できませんでした。ここには工学の知識だけでなく、倫理観や論理的思考力、批判的思考力、リーダーシップなど幅広い力を身に付けようというような内容が書かれています。ですので、直接志望理由書に使えそうな内容はありませんでした。

日本大学理工学部(工学)では,日本大学教育憲章(以下,「憲章」という)を基に,専門分野を加味した卒業認定に関する方針に沿って学問分野別の教育課程を編成し実施する。
「憲章」に基づく卒業の認定に関する方針として示された8つの能力(コンピテンシー)を養成するために,初年次教育,教養教育,専門教育,キャリア教育等の授業科目を各能力に即して体系化するとともに,講義・演習・実験・実習等の授業形態を組み入れた多様な学修方法による教育課程を編成し実施する。
また,学修成果の評価は,専門的な知識・技能及び態度を修得する授業科目に関しては,授業形態や授業手法に即した多元的な評価方法により,各授業科目のシラバスに明示される学習到達目標の達成度について判定し,「憲章」に示される日本大学マインド及び自主創造の8つの能力(汎用的能力)への達成度に関しては,卒業の達成を測るための授業科目の修得状況や到達度と学生自身による振り返り等をもとに段階的かつ総合的に判定する。

  1. 教養教育科目,基礎教育科目及び各学科の専門教育科目の学修を通じて,豊かな教養・知識を身につけ,倫理観を高める能力を育成する。
  2. 教養教育科目及び基礎教育科目に置かれる外国語科目等の学修を通じて,世界情勢の理解や外国語による意思疎通の能力を育成する。
  3. 基礎教育科目の基礎科学分野及び各学科の専門教育科目の学修を通じて,工学に関する知識を養い,論理的かつ批判的な思考力を育成する。
  4. 各学科の実験・実習科目及び卒業研究の学修を通じて,問題を発見し,解決策を提案する能力を育成する。
  5. 各学科の専門教育科目の学修を通じて先端の技術・理論に触れ,探究心及び挑戦力を育成する。
  6. 全学共通初年次教育科目,基礎教育科目及び各学科の専門教育科目の学修を通じて,コミュニケーション力及び他者への理解力を育成する。
  7. 卒業研究等の学修を通じて,リーダーシップや協働者の力を引き出す能力を育成する。
  8. 卒業研究及び卒業達成度評価科目の学修を通じて,自己の学びを振り返り,自己を高めることができる能力を育成する。

ディプロマポリシー

ディプロマポリシーは学部のもののみしか確認できませんでした。これも、カリキュラムポリシーと同様に工学の知識だけでなく幅広い力を身に付けてほしいという内容となっています。

日本大学理工学部は,日本大学教育憲章に基づき,以下の能力を身に付け,所定の年限在学し,かつ所定の授業科目及び単位を修得した学生の卒業を認定し,学士(工学)の学位を授与する。

  1. 豊かな教養・知識に基づいた高い倫理観を有し,人類の平和と福祉に貢献できる。
  2. 世界情勢を理解し,国内外において直面している状況を理解し,その多様性及び自身の考えを説明することができる。
  3. 得られる情報を基に工学に関する知見から論理的な思考,批判的な思考をすることができる。
  4. 事象を注意深く観察して能動的に課題を発見し,豊かな創造性及び工学に関する専門的知識を基に解決策を提案することができる。
  5. 旺盛な探究心を持ち,あきらめない気持ちで社会における様々なことに対し果敢に挑戦することができる。
  6. 他者の意見を聴き,自身の考えを伝え,互いの個性・特色を理解することができる。
  7. 集団においてリーダーシップを発揮し,他者と連携することで,協働者の力を引き出し,その活躍を支援することができる。
  8. 謙虚に自己を見つめ,振り返りを通じて自己を高めることができる。

①将来の夢

「日本の自動車産業を支えたい」というぼんやりとした将来の夢とアドミッションポリシーなどから読み取った内容を合わせ、明確な将来像を作ります。

アドミッションポリシーで、「自然科学の知識を理解・応用して日本国内だけでなく国外も視野に入れて、社会に貢献しようとする人物」、カリキュラムポリシーとディプロマポリシーから「倫理観や論理的思考力、批判的思考力、リーダーシップなど幅広い力を身に付けた人物」という人物像を読み取ることができます。

それらをふまえ生まれる将来像として

豊富な知識をもち、これからの日本の自動車産業を世界に向けて発信できるエンジニア

というものが挙げられるのではないでしょうか。

ここには「これからの日本の自動車産業」という文言を入れました。日本の誇る自動車技術の一つに”エンジン”に関する技術があります。日本のガソリンエンジンの技術は非常に高く、世界中で日本車は評価されていました。しかし、環境のために、現在アメリカのテスラや中国のBYDなどの電気自動車が主流になってきており、撤回はされましたが、ヨーロッパではガソリン車の販売が禁止という方針まで出されました。世界的には確実にガソリン車ではなく電気自動車に向いています。この電気自動車にはエンジンの技術が不要であり、電気自動車が広がると日本が持つ高いエンジン技術が廃れてしまう可能性があります。

 そこで、日本のトヨタ自動車が研究開発している水素エンジンは通常のガソリンエンジン技術を応用した技術です。私は、このような水素エンジンなど新しい環境を意識した新燃料を用いたエンジン技術を発展させることがこれからの日本の自動産業の役割であると考えています。

②大学を選んだ理由

機械工学科のホームページの「学科・専攻紹介」や「パンフレット」から内容を見て将来の夢につながるような取り組みを挙げていきたいのですが、前述のとおりこちらの大学の機械工学科には特筆すべき特徴が少ないと感じます。大学の志望理由書にはその大学でのみ経験できる取り組みを挙げたいのですが、HPやパンフレットからそれを見つけることができなかったので、別の方法で見つけます。

この大学でのみ経験できる取り組みを見つけるために、オープンキャンパスへの参加を強く勧めます。オープンキャンパスに参加すれば、大学を選んだ理由として、そこで得た経験や学生の様子などを挙げることができます。実際に大学に行き、感じ取ることができたことは、その大学でしか得られない経験になりますので、是非とも参加しましょう。もし可能であれば別の大学の機械工学科のオープンキャンパスにも参加しましょう。参加すれば面接などで、複数の大学のオープンキャンパスに参加した中で「日大理工の機械工学科が最もよかった」というアピールをすることができます。

また理工学部であれば、オープンキャンパスで研究室公開などもあるでしょうから、自分の興味のある分野の研究室に参加し、将来の夢の設定にもつなげましょう。

当然大学を選んだ理由として、オープンキャンパスへの参加した際の印象と研究室について記載することをおススメします。

他には特筆すべき特長は少ないながらも、志望理由書には大学が掲げる特徴や取り組みは挙げなければなりませんのでHPの学習・教育目標やパンフレットから挙げていきます。

学習・教育目標

(A) 工業を支える機械工学に対応した基礎教育

機械工学は、人間生活を豊かにするために必要であれば、幾多の困難をも克服してそのニーズに応えて行かなければならない。その分野は広がりこそすれ、狭まることはなく、その発展を支える基礎を重視して教育を行う。

(B) ものづくりを推進する実践教育

機械工学が人間生活を豊かにする具体的なものを提供するには、「ものづくり」があって可能となるので、その目的意識を明確にし、「ものづくり」に携わって得られる充足感を実践教育の中で享受しながらさらに自らを高める鍛錬を行う。

(C) 活躍の場を広げるグローバルな視野の養成

機械工学が対象と考える人間社会は地球上において高度に連携が深まっているので、それに対応できる能力を備えるとともに、万人の幸福を見据えた視点から行動を定めていく理念を持てる教育を行う。

(D) 機械工学技術者としての誇りと倫理観を持てる教育

機械工学技術者に対する要求は高まる一方ではあるが、それに答えることによる達成感も大きくなり、高い理念に対する尊敬も深まることとなる。これらより自らの誇りを確固たるものとして、機械工学技術者としての倫理観を培いながら意欲を高揚させることができる教育を行う。

学科HPより

 学科のHPの学習・教育目標から使えそうなものをピックアップすると、「基礎を重視した教育」,「実践教育」、「グローバルな視野」あたりが挙げられるでしょう。将来の夢の「豊富な知識をもち、これからの日本の自動車産業を世界に向けて発信できるエンジニア」について、「基礎を重視した教育」と「実践教育」によって「豊富な知識」を身に付けることができ、「グローバルな視野」を身に付けることで「世界に発信する」ことができるようになるわけです。

パンフレット

学科100年の歴史と充実した進路支援

機械工学科では大学院説明会、年に複数回行う進路ガイダンスを通じて、学生の皆さんの進路サポートをしています。2021年に創設100周年を迎えた本学科は、その伝統と実績を生かして卒業生による就職活動支援も盛んに行われています。その結果、就職実績は非常に高いです。

パンフレットより

 パンフレットには長い歴史や、その過程で生まれた多くのOB・OGよる就職支援が書かれています。日大の理工学部は全体的にこの点を押していますので、この点についても志望理由書に挙げてもよいと思います。

③大学生活

ここでは「②大学を選んだ理由」として挙げた「基礎を重視した教育」、「実践教育」、「グローバルな視野」を身に付けるための取り組みを具体的に示していきます。学科のHPカリキュラムを参考にします。

基礎を重視した教育

カリキュラムを見ると1年次に「機械工学インセンティブ」という授業が用意されており、機械エンジニアになるための心構えを学び、4年間の学習計画を立てることができます。

さらに2年次から「機械力学Ⅰ」「材料力学Ⅰ」「流体力学Ⅰ」「熱力学Ⅰ」などの機械工学を学ぶための基礎学問の履修がはじまります。これらは学年を追うごとに「○○力学Ⅱ」、「○○力学Ⅲ」となっており、基礎から応用まで系統的に学ぶことができることを意味しています。

さらに機械工学にとって必須の機械・器具・測定装置を操作する実習・実験や図面を引くための製図の授業が1年から3年までの必修科目として設定されていることからも、基礎から応用まで系統的に学ぶことができるとわかります。

実践教育

カリキュラムから読み取っていくと、上記にもあったように実習・実験や製図の授業などの実践的な授業が連続して行われる点や、「○○力学」の授業には必ず演習がセットとなっている点が挙げられるのではないかと思います。

さらに、3年次に行われる「機械キャリアデザイン」ではインターンシップ(就業体験)を行うことができ、それまでに身に付けた知識を、企業で実践することもできます。

グローバルな視野

”グローバル”という言葉を見るとどうしても、「留学」や「留学生との交流」などの”国際性”をイメージしてしまいますが、そうした取り組みは残念ながら見つかりませんでした。

そもそもこの大学がいう”グローバルな視野”には以下の様に書かれており、”国際性”については書かれていません。

機械工学が対象と考える人間社会は地球上において高度に連携が深まっているので、それに対応できる能力を備えるとともに、万人の幸福を見据えた視点から行動を定めていく理念を持てる教育を行う。

こちらの内容を言い換えると、ここでいう”グローバルな視野”とは「世界中に機械技術を広め、世界中の人々のために貢献しようとする視野」というように考えてよいのではないかと思います。

そのための大学の取り組みとしては上記に挙げた「機械キャリアデザイン」が挙げられるのではないかと思います。こちらの授業の中で、インターンシップ先の調査などを行いますので、機械工学の技術がどのように社会で役立っているのかを学ぶことができます。

④将来のきっかけ

「①将来の夢」である「豊富な知識をもち、これからの日本の自動車産業を世界に向けて発信できるエンジニア」になりたいと思うようになったきっかけを書きます。

 これまでの経験の中で、日本の自動車産業に関することがあればそれを書きましょう。ただおそらくそれほどの大きなスケールの思い出を持っている人はほとんどいないと思いますので、ニュースや本などを見て、社会の持つ問題を自動車技術によって解決できそうなものを挙げると良い思います。特に「SDGs」などを利用すると印象はよくなるかと思います。

きっかけの例として、

幼少時から自動車が好きで、自動車にかかわる仕事がしたいと考えていた。現在は温室効果ガスの発生を抑えるためにガソリンエンジンを搭載した自動車よりも電気自動車の割合が増加しており、アメリカや中国のメーカーがシェアを伸ばしている。そうした中で日本のメーカーでは水素など環境に配慮した新しい燃料を用いた自動車の開発が進められており、そうした技術開発に携わることで、日本の自動車メーカーの再興と環境問題の解決に取り組みたいと思うようになった

といったようなものも挙げられるかと思います。

⑤自分の長所

自分の長所は「①将来の夢」とアドミッションポリシーから考えます。アドミッションポリシーは「自然科学の知識を理解・応用して日本国内だけでなく国外も視野に入れて、社会に貢献しようとする人物」という内容が書かれています。これを実現する力として、「応用力・対応力」が一例として挙げられるでしょう。また将来の夢である「豊富な知識をもち、これからの日本の自動車産業を世界に向けて発信できるエンジニア」に必要な力の一例として、「強い好奇心」が挙げられるのではないでしょうか。

あなたの長所を「応用力・対応力」や「強い好奇心」として、これらを示せるようなあなたの経験を挙げてください。

例えば、

「部活動で試合に勝つための戦略に興味をもち、強いチームを分析などをした。その戦略を自分のチームに対応できるように応用し、良い結果を残すことができた。」

「文化祭の企画委員として他校の文化祭に興味をもち積極的に参加した。そこで見た企画を参考にし自分のクラスの企画を行った。他校で参考にした企画を私のクラスに合うように変えたことで、来場者だけでなくクラスメイトも満足のいくような企画を作り上げた」

というように、興味をもって何かを調べ、その結果を応用して何かを行ったエピソードを挙げれば大丈夫です。

志望理由書をまとめる

ここまでまとめた①~⑤を以下のような構成にまとめ、文章を整えてください。

日本大学理工学部機械工学科の志望理由書は文字数指定がありませんので、パターン②で作成しましょう。

ここで、大学入学希望理由書の内容に求められていた「学力の3要素」についてですが、「知識・技能」は「①将来の夢」を実現するために大学や学部・学科に関する情報についてしっかりと調べていること、「思考⼒・判断⼒・表現⼒」については、「②大学を選んだ理由」や「③大学生活」を「①将来の夢」につなげることができていること、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」については、「②大学を選んだ理由」の「グローバルな視野」で機械工学の技術を世界に広めていきたいというを示せば表現できると思います。

面接対策

質問内容

日本大学理工学部機械工学科の総合型選抜の面接では以下のような質問がされているようです。私が調べた範囲での内容ですので、深くは先輩やオープンキャンパス等で聞くのがよいと思います。

  • 志望理由
  • 入学後何をしたいか
  • 高校生活で頑張ったこと
  • 好きな教科・嫌いな教科
  • 提出書類に関する質問

面接について

  • 面接官2人の個別面接
  • 面接時間15分~20分
  • 志望理由書や面接で答えた内容から質問されるので、そこからどんな質問されるのか先生や友人などに聞いてみるとよいと思います。

数学試験

問題は全て基礎問題

試験時間は50分

一般入試に向けた勉強をしておけば十分解くことが可能

物理課題

字数800字

時間60分

機械工業についてのテーマについて記述
 例:水素自動車など環境に配慮した自動車の特徴、普及のための方法についてまとめる。
   地球温暖化の問題について世の中で主張されていることについてまとめる。

最後に

今回は日本大学理工学部機械工学科の志望理由書の書き方についてアドバイスさせていただきました。

こちらの大学の学部学科は倍率はそれほど高くはありませんので、それほど心配しなくても良いと思います。ただ、物理の課題では論述がありますので、機械工業の知識(特に環境について)を前もって調べておいたほうが良いと思います。

文章だけではわかりにくい、もっと踏み込んだ内容で書いてほしい、自分の経験に合わせてカスタマイズしてほしいなどございましたらぜひ伸学塾までご連絡ください。

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